(第3回)2番でもいいんです!

こんにちは。まちるど講師のイワセンこと岩井美香です。

みなさんは子どもの頃、どんな習い事をしていましたか?
私は、ピアノと習字とスイミングを習っていました。ピアノについては黒歴史、運動もからきしダメ(苦笑)。だけど、習字だけは小学1年から中学3年まで9年間通い続けました。ピアノや水泳は全然意欲がわかなかったのに、習字はモチベーションが続くという怪奇。歩いて5分のところに教室があったので、中学生になって勉強が忙しくなってからも通いやすかったというのもあります。

でも、意欲が続いた最大の理由は…
「(習字の大会で)絶対金賞を獲りたい!!」という大きな夢があったこと。学年で1番になりたい!、テッペンを取りたい!、今までそんな壮大な夢を持つことがなかった私が、初めて自分から努力して何かを手に入れたいと思ったのが習字でした。

私が住んでいた地域では書初め展、書席大会という大きな習字の大会が行われていました。その大会では学年ごとに数人の代表が選出され、最終的に金、銀、銅と賞が授与されることになっています。習い始めた当初はその代表のうちの一人になれたらといいと思っていたのですが、ついにそれに選ばれるようになると、次こそは!とテッペンへと上り詰める闘士が湧き上がってくるようになりました。自分の中から湧いてくる意欲、目標、そのためにコツコツ取り組む。それを味わえる習い事に出会えたなら、それはとても素敵なことだと実体験を通して思います。

さて、「学年で1番を取りたい!」なんてそんなそんな大きな目標を他人に話すことはなかったけれど、親はそんな私の思いに気づいてくれていました。そして、学年には最強のライバルがいることも知ってくれていました。その上で、「いつか越えられるといいね」と応援してくれていました。「努力が足りないのではないか」とか「そんな高望み…」などと私を追い詰めるような声かけをするでもなく、頑張ろうとする私に「今のままで十分やん」とブレーキをかけるようなこともありませんでした。ただただ、私の思いを聞いて、「それなら、頑張れるところまでやるしかないね」と支えてくれていたことに今でも感謝しています。

そして結果はというと…。残念ながら1番の夢は叶うことなく、常に2番手、3番手の結果に甘んじることに(涙)。金賞を逃すたびに悔しい気持ちは大きくなりましたが、中学3年の時に自分の力の限界を悟りました(笑)。今までの努力を認めたことで「私の力はここまで。うん、よく頑張った」と踏ん切りをつけられました。未練タラタラな私の性格にしては潔い終止符です。1番になれなくても自分でできる限りやりつくした銀と銅。今となってはとても誇らしい成績です。